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最終更新2026.11.06
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スプラトゥーンは最初、豆腐だった|イカが選ばれた理由

オレンジ色のインクを進むイカと、奥で壁を塗るヒト型キャラクターのドット絵イメージ

『スプラトゥーン』の出発点は、イカではなく、白と黒の「豆腐」のような立方体でした。そこからヒト型やウサギを試し、イカとヒトを切り替える形に至った経緯が、任天堂の開発者対談に残っています。

イカを主人公にしたくて、あとから遊びを考えたわけではなかったのです。先にあったのは、インクで陣地を取り、塗った場所に隠れる遊び。キャラクターが変わるたび、その遊びにも新しい課題が生まれていました。

今回は、2015年5月21日公開の「社長が訊く」で開発者が振り返った、Wii U用の初代作品の話をたどります。

豆腐の試作には、もう「隠れる」遊びがあった

最初の試作では、白と黒の立方体がインクを出し、陣地を取り合っていました。プログラムディレクターの佐藤慎太郎さんが作ったもので、対談では、その形を豆腐にたとえています。

ここで生まれていたのが、自分と同じ色に塗った場所へ移ると、上から見たマップで姿が分からなくなる仕組みです。3Dの画面では見えてしまうため、あとから伏せる操作も足したと、佐藤さんは説明しています。

ただ色を塗って面積を増やすだけではありません。塗った場所が、相手の目を避ける場所にもなる。完成した作品につながる発想は、イカになる前の、四角い姿の段階ですでに試されていたわけです。

迷路の中で白と黒の立方体が、それぞれ同じ色のインクの上を進むイメージ
白黒の立方体とインクの説明から着想した挿絵です。実際の試作画面や、その地形の再現ではありません。

ウサギで残った、インクを塗る理由

豆腐のあとには、ヒト型のキャラクターが試されました。ところが、上から見たときに姿がうっすら残り、隠れる遊びが損なわれたと開発者は振り返っています。

その後に試したのがウサギです。白い体ならインクで塗られた様子が分かりやすく、長い耳は動きの見栄えや、上から見たときの向きの分かりやすさにも役立ちました。かわいさ以外にも、遊ぶうえでの利点があったのです。

それでも、ウサギがインクを塗る理由をうまく説明できない。ディレクターの天野裕介さんは、当時の課題をそう語っています。ウサギの見た目が悪かったというより、キャラクターと遊びを結ぶ理由が足りなかったと分かるところが、この回想の面白さです。

イカとヒトに分けると、壁を塗る意味も生まれた

イカの案自体は、以前からありました。転機として対談で語られるのは、インクの中で動く姿と、インクを撃つヒトの姿に、できることを分けて整理した経緯です。

インクの中を移動できるなら、塗った壁も登れるようにできる。すると、それまで勝敗を決める面積に結びつかず、扱いに悩んでいた「壁を塗る」行為にも用途が生まれます。墨を吐くイカという題材が、インクを使う遊びとも結びつきました。

ただし、イカと決めただけですぐに完成したわけではありません。イカの姿とヒトの姿をデザインでもはっきり分け、インクに「潜る」感覚へ表現を整えていったと、開発者は話しています。潜ったときに音楽がこもって聞こえる演出も、その流れで加わりました。

この経緯からは、キャラクターの形が、隠れる・移動する・塗る行為の意味まで支えていると読めます。「最初は豆腐だった」という意外さの先に、遊びに合う姿を探した試行錯誤があるのです。

出典:任天堂「社長が訊く『Splatoon』4. “強いちから”を手に入れて」(2015年5月21日公開、2026年11月1日確認)。

スプラトゥーンの試作について、よくある疑問

豆腐は、本物の食べ物の豆腐ですか?

対談で豆腐にたとえられているのは、試作中の四角い立方体です。白と黒の姿から、もめん豆腐やごま豆腐になぞらえた冗談も出てきます。

これは『スプラトゥーン3』の開発の話ですか?

この記事で扱った対談は、Wii U用の初代『スプラトゥーン』についてのものです。後の作品の開発経緯や、現在の対戦サービスの案内とは分けて読んでください。